かれこれ6年近くWordPress講座の講師をしていますが、受講された方が必ずといっていいほどぶち当たる「壁」があるんです。
それは、
WordPressで作りたいサイトが作れない
ということ。
講座ではWordPressの成り立ちから特徴、実際に使用されているサイトを見ながら仕組みを学び、実際にレンタルサーバーにインストールして導入の手軽さを体験します。
そしてテーマを適用させて、サンプルデータをインポート、ちょっと色を変えたり写真を変えたりして仕上げていく・・・そんな流れで講習をしています。
終了後のアンケートを見ると「WordPressがどれだけ便利かが分かった」とか「これからの業務に活用できる」といった、とても嬉しい感想が書かれています。
その後しばらくすると、ポツポツと私にメールが届きます。その内容が上に書いた内容なんですね。
確かにWordPressは扱えるようになった、でもどういう訳だかその知識を活かしてウェブサイトを制作しようとしてもうまくできない、自分には知識が足りなかったのか、勉強不足だったのか、などいろいろな悩みが打ち明けられています。
場合によっては、結局制作会社に依頼することになって、何を勉強してきたのか、と上長から言われるケースも見受けられました。
どうしてそのようになってしまうのでしょうか。
講座はあくまでも「オペレーション」をレクチャー
講座で教えられるのはあくまでも「WordPressのオペレーション」です。
導入の仕方、ログインの仕方から始まり、ブログや固定ページの作り方、画像の当て方、リンクの貼り方、公開スケジュールの設定、メニューの設定、バックアップの方法など、どちらかというと「WordPressで制作したサイトを運用する」方法をレクチャーしています。
講座も2日間の10時間コースですから、教えられることも限りがあります。
また講座だけではすべてを教えることはできませんので、2日間で得た知識をベースにして、自学自習がどうしても必要になってきます。
WPのオペレーションとサイト制作はまったく別物
本来であればサイト制作までレクチャーできればいいのですが、それをするためには以下の内容を習得する必要があります。
- ウェブデザインの考え方
- サイトマップなどの設計
- HTML, CSS, JavaScriptの理解
- PhotoshopやIllustratorの理解
- 現在のデバイスやネットワーク環境の理解
「WordPressを習得すればサイトが作れる」というのは決して間違いではありませんが、「自分のイメージするサイトを作る」にはWordPressの習得だけでは足りません。
その不足している部分を自分で学習するか、講習を受けるかで補うわけです。
何を習得するのが近道か
本来であれば3ヶ月〜6ヶ月くらいのコースでしっかりウェブデザインについて習得するのが理想ですが、実際はそういった時間もお金もかけることが難しいのが現実です。
受講生からも「必要最低限、何を知っていればある程度のことができるのか」という質問を多くいただくことがあります。
WordPressのオペレーションを習得し、オリジナルデザインは作れないにしろ、せめて既存テーマをカスタマイズできるようにしたい、そう考えている方はぜひ、
スタイルシート(CSS:Cascading StyleSheet)
だけは習得することをおススメします。
スタイルシートは、文字の色や背景の色をカスタマイズするほか、コンテンツ配置のレイアウトをしたり、Webページの見栄えを調整するものです。
もちろんスタイルシートを理解するにはHTMLの理解も必要なのですが、HTMLのタグは多くはないので比較的理解はしやすいです。
それよりもスタイルシートの方が覚えておくものが多いので、スタイルシートをしっかり学ぶ方がWordPressをカスタマイズするには近道だと思います。