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13年も同じホームページで、毎年キャンセル待ちが出る英語塾の不思議

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13年も同じホームページで、毎年キャンセル待ちが出る英語塾の不思議

こんにちは、笹金です。
今日は私が13年前に制作したホームページで、いまだにキャンセル待ちが出る英語塾の不思議をお話しします。

地方+郊外+塾という不利な条件下のウェブ立ち上げ

この英語塾は、山梨県の郊外にある個人で開業している塾です。
教える科目は英語だけなのですが、毎年入塾希望者が多く問い合わせに訪れ、毎年キャンセル待ちが出るほど人気があります。
そもそもまだ私がデザイン会社に勤めていた頃、個人で請け負った案件でした。

掲載する内容は、いたってごく普通のもの。
教室情報、講座情報、プライスリスト、講師紹介、アクセス、問い合わせメールリンク、まあ普通の構成ですね。
依頼された理由は「塾生を増やしたいから」と、これまたシンプルな理由。

この英語塾の先生は、もともと国連機関でお仕事をされていて、文法と会話の両方の技術を身につけている方でした。
もちろん国連機関でのお仕事でしたから、ビジネスレベルの会話もできることから、普段のお話しの中にも英語が混じり合う、とてもインターナショナルな雰囲気をもつ方です。

「1日1フレーズブログ」の提案

私は先生の今までの履歴をお聞きしながら、塾生さんを増やすにはどうしたらいいか?を考えました。
ちょうどその頃はブログがブームになりつつありましたから、こういう提案をしました。

「今すぐ使える英会話フレーズをブログに載せるのはどうでしょう?」

先生がビジネスの現場で培った英会話フレーズを、1日1フレーズ載せるという企画です。
学校で習う英語は、残念ながら文法力はついても会話力はつきません。
私は中学〜高校と英会話スクールに通っていましたから、当時人より会話力はあったと思っていました。
私の通った英会話スクールは、テキストなしでネイティブスピーカーとマンツーマンでのレッスン。
しかもテーマもなし、「今日は何したの?」「週末は何するの?」というごくごく普通の会話でひたすらトレーニングをしました。
その中から、絶対的テキストには出てこない、ネイティブだけの言い回しが出てきたりして、本当に必要なのはおしゃべりができる会話力、ということに気づきました。

私はその経験を先生に話し、仕事や普段の生活でネイティブが使う言い回しをブログにアップすれば、先生の経験だけでネタがどんどん出てくると思います、と伝えました。
すると先生は、

「ブログ?いいわね、やってみるわ!」

とノリノリ。
そこから怒涛のブログライフが始まるのです。

1日何回も、そして深夜も明け方もブログアップ

先行してブログを先に立ち上げることになり、当時一番使い勝手の良かったエキサイトブログを使うことになりました。
先生はブログがリリースされるや否や、1日3〜4記事アップしていきます。
しかもその更新時間が午前2時や3時は当たり前、いつ先生は寝ているんだろう?と心配するほど、怒涛のアップをしていきます。

カテゴリーも最初は「助動詞」「仮定法」などの文法から「ニュースより」「ドラマの英語」など、テレビから発せられる英語フレーズ、「おもしろい表現」というものもあれば、英語とまったく関係ない「甲州弁」というのもあったりして、3ヶ月くらいであっという間に1年分相当の記事が増えました。
私も時々拝見していましたが、本当にためになるものばかりで、本にまとめてもいいじゃないか、というくらいのボリュームに感動しました。

そして迎えた最初の春

塾は学校と同じで4月始まりです。
それに向けて年明け頃から新入生募集を始めます。

この英語塾も春に向けて、準備を始めることにしました。
すると1本、また1本と電話が鳴ります。

みなさん「ホームページを見て、入塾したいのですが」「ブログを見て英会話を習いたいのですが」と、入塾前提の問い合わせが増えていきました。
結局その年の定員はホームページやブログからやってきた人たちですべて埋まり、その後も問い合わせは続いたようです。
そんな中でも先生はブログ更新に余念がなく、どんどん記事をアップしていきます。

14年経っても変わらずの大盛況

今年の春になって、サーバーの更新時期になったので、久しぶりに連絡を入れてみたところ、先生からこうお話を伺いました。

「今年もまたキャンセル待ちが発生しててね。みーんなホームページ見たって。本当にありがとうね」

やはり先生の「現場で使える英会話力」が効いているんですね。
生徒さんも学生はもちろん、社会人の方も増えているとか。山梨の郊外という、決して立地としては不利な条件にもかかわらず、需要にしっかり応えていらっしゃる様子でした。
特に社会人の場合「3ヶ月後に海外転勤になるから、ビジネス英語を身につけたい」という緊急を要することが理由で来ることが多いそうです。
ブログの方は1年前から更新をしていないそうですが、それでも問い合わせは絶えないそうです。

成功のポイント

この英語塾の先生の場合、振り返ってみるとやはり成功するポイントをしっかりクリアされていることが分かりました。

  • 自分のノウハウを惜しげもなくブログツールで無料で発信していた。
  • とにかく発信を続けていた。
  • 内容がターゲットと完全に合致していた(特にビジネス英語。現場ですぐ使える英語を教える)
  • 自分の力で更新をした。

塾も一つの無形商品の販売ですから、なかなかアピールするのは難しいです。
でも先生の経験を、きちんと発信することによって、10年以上ホームページを更新していなくても、安定した結果は得られます。

決して立地条件が良いから良い、ということではなく、「この先生に習いたい!」という意欲をかきたてるブログだったと思います。

リンク先:http://schoolt.exblog.jp/

Tatsuya Sasagane

レトリバーデザイン有限会社代表取締役。 法人営業、システムエンジニア、デザイナー、ネットショップマスターを経て2006年にレトリバーデザイン有限会社を設立。 「写真」を重点に置いたビジュアル重視のデザインで、多くのブランディングを手がける。 プライベートでは2児の父、家事は主に料理担当。子育てと家事、そして仕事の三足の草鞋を履いている。