ホームページ制作のレトリバーデザインの社長が綴るブログ

価格競争に飲み込まれないために

価格競争に飲み込まれないために

今日はウェブ業界の「価格競争」にについてお話しします。
私のいるこのウェブ制作業界は、私のような法人もあればフリーランスで活躍されている個人まで、日本全国で数千以上のクリエイターや会社で構成されています。

ウェブ制作、つまりホームページ制作に必要な道具は、「パソコン」「ソフト」「フォント」「インターネット回線」があれば誰でも可能です。
ちなみに弊社というか私の制作環境をちょっとご紹介します。

パソコン:MacBookPro 17inch(約28万円相当・減価償却済)
ソフト:Adobe Creative Cloud(年間36,000円)
フォント:モリサワパスポート (年間約50,000円)
ほかにもインターネット回線等、諸々の経費はかかりますが、40〜50万円もあればその日から「ウェブクリエイター」と名乗ることができます。それほどこの業界は参入しやすいんですね。

ただし「参入しやすい」欠点として「脱退も激しい」というのもこの業界の特徴です。
なかなか個人や起業してわずかな会社では、制作案件をなかなかとることは難しく、エージェントの下請け的な案件が多くなってしまいます。
また少しでも実績を上げるために、自分で設定した価格を下げて制作することもよくあります。
こういったことが「価格競争」を生む原因になっているんです。

単純に「価格」だけで判断すると、最低価格に限りはありません。場合によっては「初期費用0円」なんていう業者も出てきます。

しかし、本当に「価格」だけでサイトの善し悪しを判断していいのでしょうか?
その価格に見合った、それ以上の価値のあるものに仕上がったでしょうか?

もちろん「低価格」で「高品質」は理想のかたちです。
しかし私たちのような仕事は価格化できない「ノウハウ」や「経験」が存在するのです。
そういった見えない「価値」を付加することでウェブサイトは生まれるんです。

ウェブ業界を去ってしまう方の多くは「低価格競争」にのまれてしまったことが原因のようです。
この低価格競争にのまれないためにはどうすればいいのか、いろいろな方からレクチャーを求められるのですが、結局のところいつもの決まり文句になってしまいます。

・ほかとは違うあなただけのスペシャルなものを付加価値にしなさい

「そんなこと分かってるよ、それが分からないから聞いているんじゃないか」と思われるのは当然ですが、自分自身どういうものがスペシャルなものか、それが見当たらない方は申し訳ないですが、この業界から撤退したほうがいいと思います。

例えば「自分はサーバー周りのことを良く知っている」とか「JavaScriptならゼロから書ける」とか「写真のレタッチだけは誰にも負けない自信がある」という、何か一つでも光るものがあれば、それをベースにしていけばいいと思います。

私の場合、前職でウェブサーバーを構築したり、ネットワークの設定作業などをしていた経験から、どういったレンタルサーバーを借りれば良いか、またどのプランがいいのか、自前で構築する場合の期間はどれくらいかかって、どれくらいの費用対効果が見込めるか、というかなり深いところまで突っ込んだ提案ができます。
先日弊社やクライアントさんが利用している「お名前.comサーバー」に障害が発生した際も、サーバーに接続して調べた結果DNSサーバーに障害が発生していて、データのおかれているサーバーにはいっさい影響がなかったことを確認したので、クライアントさんには落ち着いて、冷静にお伝えすることができました。
その結果、大きなトラブルや混乱は発生することなく復旧することができました。

あとは案件が来た際に、「予算が○○万円で」と具体的な予算額が提案され、工数面を考量したとしても示された金額に見合わない場合は、勇気を持って「断る」ことも必要ですね。
自分の技術価値を下げてまで仕事を請け負う必要はないんです。一度でも低価格で受注してしまうと、その先価格を上げることは困難になります。何事も「初めが肝心」なんですね。

私が提示する見積額は、同じ規模の他社に比べて少し高めになっています。
「他社より高いね」と言われれば「それなら安いところでお願いしてください」とはっきり申し上げますし、「他社より高い理由を知りたい」と言われれば、その理由を丁寧に、専門用語をいっさい使わず「純日本語」で説明しています。またメールなどで疑問点を頂いた場合、回答を丁寧にして返信しています。
こういった積み重ねが功を奏するのか、「この案件は御社が一番高いけど、御社にお願いしましょう」となる確率が高くなります。
メール一つとっても丁寧に、分かりやすく、専門用語はなるべく使わないことが大切なんですね。
ある程度ウェブのことを知っている方にでもこのように説明しています。クライアントさんが専門用語を出してきたらある程度の専門用語は出しても大丈夫です。あくまでも相手の出方をしっかり見ることが必要なんですね。

低価格競争にのまれないよう、自分の強みをしっかり理解することをお忘れなく。

Tatsuya Sasagane

レトリバーデザイン有限会社代表取締役。 法人営業、システムエンジニア、デザイナー、ネットショップマスターを経て2006年にレトリバーデザイン有限会社を設立。 「写真」を重点に置いたビジュアル重視のデザインで、多くのブランディングを手がける。